エアコン代節約、室内灯はテレビ画面…酷暑化に「生活保護も対応を」

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関根慎一
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 薄暗い6畳間に、「室内灯」代わりにしているテレビの液晶画面が浮かぶ。

 瀬戸内海に面した岡山県倉敷市。「瀬戸の夕なぎ」で知られるように、夕方になると風がとまる。夜も蒸し暑く、寝苦しい。

 それでも、女性(78)はエアコンをつける気になれない。

 節約のためだ。

 暑さは扇風機でしのぐ。夜も居間の電気はつけず、テレビの明かりで過ごす。

 「余分なことに使うお金は、ない」

 この春から、1日の食事を「2食」に減らした。ほぼ毎日、昼前に近くの障害者福祉サービス事業所に並び、売り出される480円のお弁当を一つ買って帰る。それを2回に分けて食べるのが、1日の食事すべてだ。

 十数年前から続くひとり暮ら…

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    能條桃子
    (NOYOUTHNOJAPAN代表)
    2023年7月30日17時9分 投稿
    【視点】

    憲法25条では、生存権と、それを守るための努力を国に求めています。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と書いてあります。 ここには、生活保護法にある「最低限度の生活」とは、どんなに低くても、その生活が「健康で文

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    清川卓史
    (朝日新聞編集委員=社会保障、貧困など)
    2023年7月30日14時0分 投稿
    【視点】

     東京都内の食料支援の現場を取材すると、生活保護を利用している方が相当数、列に並んでいることがわかります。物価高騰が続くなか、支給される保護費では日々の食事がまかなえないのです。さらに、記事で紹介された女性と同じく、エアコンの使用もぎりぎり

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