難病「表皮水疱症」支援のTシャツ 画家のumi.さん制作販売

中村尚徳
[PR]

 わずかな摩擦や刺激でも皮膚のただれや水ぶくれができる「表皮水疱(すいほう)症」。根本的な治療法がない難病の患者を支援しようと、宇都宮市の動植物画家umi.(うみ)さん(31)がTシャツを制作し、販売している。栃木県日光市で開いている新作の展覧会で注文を受け付けている。

 umi.さんの姉は、生まれながらにしてこの難病に苦しんできた。

 「姉は高温多湿の時期になると、手のひらや足の裏がただれやすく、長い時間は歩けない。子どものころ痛みで眠れず、夜中に泣いていたのを覚えています」

 遺伝子の変異で発症し、ひどい人は全身に症状が現れる。発症した赤ちゃんを抱くと、手を当てた部分の皮膚がはがれるほど皮膚がもろい。大やけどのような痛みのため、日常的に十分な睡眠ができず、疲れが取れない状態が続くという。

 水疱をつぶして水を抜きガーゼで覆う対症療法しかないが、ガーゼにくっついた皮膚がはがれやすく、取り換えに5~6時間かかる場合もある。そのため粘着力の弱い高価なガーゼが治療に欠かせない。患部にしみにくくする入浴用の生理食塩水など日常生活の負担も大きいという。

 「治療や研究には予算がかかる。これまでは朗読CDつき絵本づくりなど病気への理解を広めることに重きを置いてきたが、これからは経済的支援を中心に活動していきたい」。その手始めとしてチャリティーTシャツ販売を企画した。

 表皮水疱症はチョウの羽のように皮膚がはがれやすいことから、欧米では患者はチョウに例えられ、「バタフライ・チルドレン」とも呼ばれる。患者の子どもたちが明るい未来へと羽ばたいてほしいとの思いをこめ、Tシャツにチョウの羽をあしらった。1枚4千円で、1千円はNPO法人「表皮水疱症友の会」(事務局・札幌市)に寄付する。

 新作の展示会「ネガイフル~二つの花」は、日光市杉並木ギャラリー(東武・上今市駅隣)で8日午後2時まで。日光山輪王寺の常行堂にこもって制作した「孔雀(くじゃく)の花」、願いにみたてた花に集まる様々な生き物を表現した「願いの花」など3点を展示している。終了後もumi.さんのサイト(umi.doodleで検索)で注文を受け付ける。(中村尚徳)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら