「レインボーカラーの靴下隠して」 福岡地裁、同性婚訴訟で傍聴人に
同性婚が認められないのは「違憲状態」との判断が示された福岡地裁(上田洋幸裁判長)の判決当日、地裁が傍聴人に対し、性的多様性の象徴となっている虹色をあしらった靴下などを着用して傍聴はできないと伝えていたことがわかった。裁判官には、法廷の秩序維持に必要な処置をとる裁量があるが、原告側からは「トラブルになったことはなかった。行き過ぎだ」と批判する声があがる。
弁護団によると、6月8日の判決当日、開廷の約1時間前に、裁判所書記官から「入廷する人でレインボーカラーを身に着けている人は隠すように」などと弁護団側に伝えられたという。
粘着テープで覆うよう要求
大学教授の鈴木賢さん(63)は、虹色柄の靴下をはいて傍聴に訪れたところ、法廷の入り口で職員に止められ、職員が用意していた粘着テープで虹色柄を覆うように求められたという。
法廷内でも、傍聴席に座っていた別の男性が虹色柄の腕時計を外すよう地裁職員から求められているのを、朝日新聞記者が確認した。男性は「なぜ外さねばならないのか」と理由を尋ねていたが、複数回にわたるやりとりの後、説得に応じて腕時計を外した。
鈴木さんは柄が見えないように靴下を折り曲げて法廷に入ったが、「レインボーは自分も含めた性的マイノリティーの連帯の象徴。裁判官からも見えない靴下の柄まで裁判所が指定してくるのは異常だ」と憤る。
今回の対応について福岡地裁の担当者は「裁判長の指示により、入廷は許されていなかった」と説明したが、詳細な理由は明らかにしなかった。
最高裁によると、法廷での傍…
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