「不利益想定しがたい」に救われた 同性婚訴訟、当事者が感じる変化
中山直樹 渕沢貴子
2人は一緒に暮らしている。でも、毎年の年末調整では、それぞれ家族がいないものとして記入し、提出する。
福岡市の会社員、まさひろさん(35)とパートナーのこうすけさん(33)は、全国の同性カップルが同性婚の法制度化を進めない国を訴えた一連の訴訟の原告だ。2019年に全国5地裁で提訴され、うち4地裁では判決が出た。8日、福岡地裁で一審判決が出そろう。
2人は2018年に福岡市の制度で、同性カップルを家族とみなすパートナーシップ宣誓をした。自動車保険で家族と同様の扱いを受けられる商品が増えるなど、いいこともあった。
だが、遺産の相続や扶養など、法的な家族でないと活用できない制度は多い。
「なにより、事故や病気など相手の身に何かあったら、『家族』として支えることができない。いつ壊れるかわからない幸せの上で暮らすことが、心の負担なんです」と訴える。
提訴した19年以降も、政治の世界から「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」「少子化が加速する」と耳を疑うような発言が聞こえてきた。
ネット上では、子どもを産め…
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