マイナンバー登録、家族名義の口座数を週内にも公表 デジタル庁方針

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 マイナンバーとひもづける公金受取口座の登録制度で、家族内で同じ口座を登録した例が多数みつかっている問題で、河野太郎デジタル相は6日の記者会見で、デジタル庁が2月から口座の存在を把握していたことを認めて謝罪した。同庁は5日の国会で、5月下旬の総点検調査で把握したと説明していた。

 公金受取口座は本人名義と定められているが、家族名義の登録が多数見つかっている。デジタル庁は報道で明るみに出る3カ月前に問題を把握しながら、具体的な対策をとっていなかったことになる。

 マイナンバーをめぐるトラブルが相次いでいることを受け、岸田文雄首相は6日、政府のデジタル社会推進会議で、全てのデータやシステムの再点検と、ヒューマンエラーを防ぐデジタル化の徹底を河野氏に指示した。

 デジタル庁は、本人ではない家族名義の口座がどれくらいあるのか調査しており、週内にも中間報告を公表したい考え。同庁は口座を本人名義に再登録するよう呼びかけるなど、対処方針も示す。

 河野氏は6日の閣議後会見で、国税庁から2月、昨年分の税還付を行う際に納税者名と口座名が異なる家族口座と思われるケースが2件見つかったとの情報提供があったことを明らかにした。だが、連絡を受けたデジタル庁の担当者レベルで情報が止まり、庁内で共有されず、河野氏にも報告されていなかったという。

 家族口座を把握した時期について、デジタル庁は5日の参院地方創生・デジタル社会形成特別委員会で、「(5月下旬からの)総点検にかかる調査の過程で把握した」としていた。

 朝日新聞は国会審議後の5日夜、政府が2月に問題を把握していたと速報。河野氏は6日の会見で、2月に情報共有があったことを5日夜の報道で知ったと説明した。「デジタル庁の中で情報共有がされていなかったことは大変申し訳なく思う」と謝罪した。

 「家族口座」は全国で多数にのぼるとみられる。マイナンバーに本人名義の口座がひもづけられていない場合、給付金などが本人に渡らないなど混乱が広がる可能性がある。

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