既存薬がALS治療に効果か 候補1200種超え、iPSで絞り込み

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野口憲太
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 iPS細胞を使って探し出した薬に、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病気の進行を約7カ月遅らせる効果がみられた。そんな臨床試験(治験)の成果を、慶応大の研究チームが論文で発表した。今後、企業が主導する最終段階の治験を始めるという。

 この薬は、パーキンソン病の薬として承認されている飲み薬「ロピニロール塩酸塩」。ALS患者のiPS細胞から神経の細胞をつくり、神経細胞が死んでいってしまうALSの病気の状態を再現。既存の約1230種類の薬で効果を試したところ、ロピニロールがALSにも有効な可能性があると見いだした。

 治験は2018年に始まり、患者20人が参加。このうち、無作為に選んだ13人は最初からこの薬を使った。残りの7人は最初の半年は有効成分のない偽薬を使い、その後、薬を服用した。

 その結果、一定以上の症状の重さになったり亡くなったりするまでの期間は、最初から薬を使った人のほうが平均195日長かった。副作用などが理由で途中で薬をやめた人はいなかった。

 成果は6月1日付で、国際的な幹細胞研究の学術誌「セル・ステム・セル」に発表された。今後、慶応大発ベンチャー「ケイファーマ」が中心になり、大規模な治験を行う予定という。

 チームは、今回の治験から得…

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