「理解」はしてあげてもいいけど…LGBTへの差別禁止を嫌がる理由

有料記事

聞き手・田中聡子
[PR]

 LGBT理解増進法案の議論が注目されています。焦点の一つとなったのが、「差別」をめぐる表記でした。「理解増進」はよくても、差別禁止を明確にうたうことを避ける背景には何があるのか。前衆院議員の尾辻かな子さんに聞きました。

おつじ・かなこ 1974年生まれ。大阪府議、参院議員、衆院議員を経て、2021年の衆院選で落選。同性愛者であることを公表している。

「理解」は内面の問題

 「LGBT理解増進法案」が注目されています。議論されるたびに内容が悪くなっていき、暗澹(あんたん)たる気持ちです。しかしそもそも、「理解増進」が政治の役割なのでしょうか。

 「理解」というのは、個人の内面、つまり「気持ち」の問題です。あいまいで、何をもって「理解が進んだ」と言えるのか分かりにくい。政策目標を作ることも、効果をはかることも難しいでしょう。

「差別」の文言でもめた議論

 マイノリティーにまず保障す…

この記事は有料記事です。残り891文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    石合力
    (朝日新聞編集委員=国際関係、外交)
    2023年6月1日18時49分 投稿
    【視点】

    「権利を与えてあげる」という誤解。本来持っているはずの権利を奪われている人たちがいたら、回復しなければならない。権利を「与えてあげる」のではなく、回復する責務が政治にはあるはずです、という尾辻さんの主張はその通りだと思います。  例えば「

    …続きを読む
Think Gender

Think Gender

男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[もっと見る]