【そもそも解説】ChatGPTの可能性 近づく「人間を超える日」

有料記事そもそも解説

竹野内崇宏
【鷹の爪動画】ChatGPTって何がすごいの?=(C)DLE/朝日新聞社
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 対話型のAI(人工知能)である「ChatGPTチャットGPT)」は、またたく間に世界で1億人以上が使うようになった。AIの発展は社会を変える可能性がある一方、悪用の恐れや、人間の仕事を奪う懸念もある。チャットGPTやAIとはどんなものなのか。(竹野内崇宏)

チャットGPTとは? 「歌詞もレシピも作れます」

 チャットGPTはインターネット上で使える対話型AIだ。尋ねると、友人と話すように自然な言葉で答えてくれる。18歳以上(保護者の同意があれば13歳以上)なら誰でも、サイトに登録して無料で使える。質問文や依頼文を打ち込むと、文章で回答する。

 試しに「卒業の切なさをテーマにした歌詞をつくって」と書き込んでみた。数秒でこんな歌詞を生み出し始めた。

 「川沿いの桜、咲き誇る春の日 僕らはここで笑い、泣き、夢を描いた」「卒業の刻、切なさあふれる心 君と過ごした日々は、金色の思い出」

 ほかにも文章の翻訳(ほんやく)や要約、料理のレシピや旅行のプランも教えてくれる。やり取りは、主に開発に使われた英語だけではなく、日本語でもできる。ビジネスの場面でも、企画書や営業のメールの下書きを書いたり、顧客の問い合わせに手早く対応したりする役目が期待されている。

 グーグルなど従来の検索サービスとはどう違うのか。検索サービスでは、調べたい語句を入力すると、関連度合いに沿って、すでにあるサイトやブログなどのリンクが順番に並べられる。検索した人がその中から、知りたかった答えを探す必要がある。

 一方、チャットGPTは、ウェブサイトなどから学習した内容を踏まえて、文章をゼロから作り出して回答する。

 米新興企業オープンAIがチャットGPTを公開したのは昨年11月。わずか2カ月で世界中の利用者が1億人を超え、「史上最速で普及したアプリ」とも言われる。月額20ドル(約3千円)の有料版では、回答の内容や日本語の精度が上がった最新版「GPT4」の機能も使える。

 4月に来日し、岸田文雄首相と面会したサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)によると日本でも1日100万人以上が使っているという。

 昨年は他にも、「ミッドジャーニー」や「ステーブルディフュージョン」など、言葉で指示するだけで高精度の画像を生み出すAIも登場した。これらは「生成AI」と呼ばれる。

これまでのAIとどう違う? 「文脈読む力、急発達」

高度な会話ができるAIが突然現れたのはなぜなのか。後半ではチャットGPTがどうやってできたのか、AIがこの先世界をどう変えるかを読み解きます。

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