同性パートナーにも「遺族補償」 東京都世田谷区が新たな独自制度

中井なつみ
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 東京都世田谷区が公的に認められた同性カップルについて、災害対応に携わって死亡したパートナーを遺族補償の対象に含める制度を新設する。7月から運用を開始するという。

 世田谷区は、2015年に同性カップルを公的に認める「パートナーシップ制度」を全国に先駆けて導入した。18年4月には、多様性を認め合い、人権を尊重することを目指す趣旨の条例を施行。同性パートナーが対象外となっていた制度の補完を進めてきた。

 区によると、今回新たに遺族補償の対象となるのは、水害時に区の要請を受け、河川の増水対策として土囊(どのう)を積んだり、避難誘導をしたりといった「水防活動」▽災害時の応急措置業務――にそれぞれ携わった同性カップルのパートナーが、死亡したケース。

 水防法や災害対策基本法を根拠にした区条例では、対象が事実婚を含めた配偶者や子、父母、兄弟姉妹らに限られ、同性カップルのパートナーは対象外となっている。今回は条例改正ではなく、同性パートナーを対象とした「死亡補償一時金」の支給制度を新たに設ける。

 区では昨年4月、自然災害で亡くなった人の遺族に支給する災害弔慰金を同性パートナーにも支払う制度を新設していた。(中井なつみ)

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