三鉄活用を一緒に探ろう 自治体職員が乗って交流、計10市町村参加

東野真和
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 岩手県沿岸を走り、赤字経営が続く三陸鉄道の活用策を探ろうと、三鉄幹部が同県釜石市職員30人と一緒に列車に乗る「交流会列車」が16日、釜石―盛(さかり、同県大船渡市)間を往復した。この企画は今年1月から計10市町村の職員を対象に行われ、計約250人が参加した。

 担当者以外は三鉄と疎遠な自治体職員に関心を持ってもらおうと、住民や三鉄ファンによる「三陸鉄道を勝手に応援する会」が主催した。

 この日、三鉄の石川義晃社長が、開業時に年間268万人だった乗客数が、人口減や震災にコロナ禍が加わり4分の1に減った現状を説明。回復への様々な試みについても紹介した。補修など各業務に従事する社員たちは苦労話を語った。

 「応援する会」からは、商品開発プロデューサー五日市知香さん(56)が三鉄とのコラボ商品の開発について、実例を挙げて呼びかけた。また、斎藤徳美・岩手大名誉教授(77)は「鉄道がなくなって栄えた町はない。できない理由を並べるのが自治体職員と言われるが、どうしたら客を呼べるか考えよう」と熱弁を振るった。

 乗車した女性職員は「トンネルが多いので、その間、飽きさせないような工夫があればいい」と感想を話していた。東野真和

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