参院懲罰委員会は14日、政治家女子48党（旧NHK党）のガーシー（本名・東谷義和）参院議員に対し、議員資格を失う「除名」とする懲罰処分を全会一致で決めた。15日の参院本会議で正式に決める見通し。昨夏の参院選で初当選後、海外に滞在したまま一度も国会に出席しなかった。

　懲罰委で、ガーシー氏に弁明の場を改めて設け、ガーシー氏の弁明書を旧N党の浜田聡参院議員が代読した。与野党の意見表明などを経て、全会一致で除名処分が決まった。

　4段階の懲罰のうち最も重い除名処分を受けた国会議員は、ガーシー氏で戦後3人目。1950年の小川友三参院議員（無所属）、51年の川上貫一衆院議員（共産党）が本会議などでの発言が懲罰対象となった。国会の長期欠席を原因とした除名は初めてだ。

　ガーシー氏は昨年7月の参院選比例区に旧N党から立候補し、個人名で約28万票を集めて初当選した。しかし、アラブ首長国連邦（UAE）など外国に滞在したまま昨年の2度の臨時国会に続き、今年の通常国会でも登院せず、参院は2月下旬、懲罰で3番目に重い「議場での陳謝」を科した。

　ガーシー氏はいったんは帰国して陳謝する意向を文書で示していたが、今月8日の参院本会議も欠席。「議場での陳謝」という懲罰処分に応じなかったため、与野党が「言語道断」（自民党の世耕弘成参院幹事長）などとして、除名とすることで一致していた。