サーモンの陸上養殖は「SDGsビジネス」 大手商社が次々に参入

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青田秀樹
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2030 SDGsで変える

 おすしや刺し身で人気のサーモンを国内で陸上養殖する取り組みに、大手商社がこぞって参入しています。海への負荷を減らし、長距離輸送による温室効果ガスの排出も抑える。SDGs(エスディージーズ)(持続可能な開発目標)にかなったビジネスだとして、動き出しています。(青田秀樹)

 回転ずしチェーン「すし銚子丸」の千葉・木更津店に毎週末、「おかそだち」という名のサーモンが並ぶ。研究施設や工場が並ぶ、車で20分ほどの丘陵地で養殖された魚だ。

 ノルウェーからの空輸品と同じ2貫396円。運営会社「銚子丸」の担当者は「おいしくて地元産という話題性もあり、人気です」と話す。「魚をきちんと提供し続けたい。SDGsを意識しています」

エサ・ふんの海洋汚染防ぎ 輸送時にCO₂削減

 サーモンの海面養殖は水温との兼ね合いで適地が限られ、多くはノルウェーやチリ産。エサの食べ残しやふんによる海洋汚染、生態系への影響もあり、拡大には限りがある。陸上養殖なら排水を管理でき、海を守りつつ国内で水揚げを確保し、輸送時の二酸化炭素(CO2)排出も抑えられるというわけだ。

 「おかそだち」を手がけるのは水処理の専門家らが立ち上げたFRDジャパン。大手商社の三井物産がグループ化し、2019年に出荷を始めた。

 倉庫のような養殖プラントには、魚の成長段階ごとの水槽が並ぶ。管理室のモニターは水槽内の温度や酸素濃度などを映し出す。建屋の裏手に回ると水処理用のパイプがうねる。年内に、今の年産30トンを3千トンに拡大する本格プラントに着工するという。

 三井物産は資金調達にプラン…

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