石破元幹事長、10年ぶり予算委質問 30分間のうち25分持論展開
自民党の石破茂元幹事長が15日午前、約10年ぶりに衆院予算委員会で質問に立った。自民党幹事長だった2013年10月以来で、自ら「ライフワーク」と述べる安全保障政策をテーマに質問したが、岸田文雄首相の答弁機会はわずか1回だけ。議論を深めるというよりも、さながら石破氏の「演説」の様相となった。
石破氏は冒頭、手術したばかりの首相の体調を気遣ったうえでこう切り出した。「本会議形式になって恐縮だが、冒頭、私から思いを申し述べさせていただいて、総理にご答弁をまとめてお願いしたい」
一問一答の形式ではなく、代表質問のようにまとめて首相に聞くスタイルで行うことを「宣言」し、安全保障政策の質問を始めた。
石破氏は「台湾有事は日本有事というような思考をあまり簡単にすべきものではない」「軍事専門家たる自衛官が、国会においてきちんと証言ないしは答弁することが正しい立法府による文民統制のあり方だ」などと持論を展開。割り当てられた30分間のうち冒頭から約25分間話し続けた。
質問の最後、石破氏が「以上申し述べました。総理のご見解を承りたいと存じます」と締めくくると、第1委員会室には笑い声が広がり、傍聴席からは「すごいな」との声が漏れるほどだった。
首相は「今、東アジアにおいても急速なミサイル技術の進歩において、不透明な状況が指摘をされている」などと敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を決めた経緯などを説明した。石破氏の質問時間が長く、首相の答弁時間は限られたこともあり、議論が深まったとは言いがたい内容だった。
石破氏は質問終了後、記者団の取材に応じ、持ち時間の多くを自身の質問に充てた理由について「論破するためではなく、多くの人が気付いていない問題について、提起しなきゃいけないと思った」と説明した。16年に地方創生相を退任して以来、一貫して衆院予算委員を務めていたが質問に立っていなかったことについては「誰をどの場面にあてるべきかというのは現場の理事、あるいは国会対策委員会、あるいは政務調査会で判断をすること。私がとやかくいうことではありません」と語り、自身は常に質問に立つことを希望していたと述べた。
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- 【視点】
かつて石破氏の担当記者を務めたころ、毎週末のように地方での講演会に同行し、演説に耳を傾けていました。本日の衆院予算委員会での25分間の主張を聞きましたが、「専守防衛」や「必要最小限度の自衛力」をはじめ、「シェルターの整備」など、まさに積年
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