原発政策の大転換、方針を閣議決定 新規建設、60年超運転も

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岩沢志気
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 岸田政権は10日、原発の新規建設や60年を超える運転を認めることを盛り込んだ「GX(グリーン・トランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を閣議決定した。東京電力福島第一原発事故以降の原発政策の転換が、正式な政府方針となった。通常国会に関連法案を提出する。

 昨年12月に示された基本方針の原案に対するパブリックコメント(意見募集)には、原発政策への反対意見が多く寄せられたが、大きな修正はなかった。

 基本方針は、2050年の脱炭素社会の実現に向けて今後10年間にとるべき政策を中心に列挙。再生可能エネルギーとともに、原発の「最大限活用」を明記した。事故後、新規建設については「現時点では想定していない」としてきたが、取り組む方針に転換した。

 具体的には、政府が「次世代革新炉」と呼ぶ改良型の原発について「開発・建設に取り組む」とし、廃炉を決めた原発の敷地内で建て替えを進める。いまは原発のない地域でも、建設を「検討していく」とした。

 一方、原案で「まずは廃止決…

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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2023年2月10日10時59分 投稿
    【視点】

    原発から白煙があがった「3.11」の記憶はいまだ鮮明ですが、あれからまもなく12年がたとうしています。目に見えない放射能から避難を余儀なくされ、原発の恐ろしさを痛いほど体験しながら、この間、「脱原発」が実現できなかった我が国の政治・社会の限

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    中川透
    (朝日新聞編集委員=経済、暮らしとお金)
    2023年2月10日11時47分 投稿
    【視点】

     東電の原発事故からわずか12年で、脱原発の方針が転換されました。福島の原発の地元にまだ住民は戻れず、原発事故で出た処理水の問題は解決せず、使用済み核燃料の最終処分場も決まらないまま。様々な課題を積み残しながら、原発を「GX(グリーン・トラ

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