歯の矯正で「詐欺商法」、150人が提訴 「モニターで無料」うたう

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根岸拓朗
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 歯の矯正治療をめぐって詐欺的な商法の被害にあったとして、患者ら153人が26日、東京・銀座などで歯科クリニックを運営してきた医療法人社団「デンタルオフィスX」や医師などに、総額約1億9700万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。「実質無料で治療できる」と説明されたのに、実際には高額な費用を負担させられたうえ、歯やあごの健康被害が残った患者が多いと主張している。

 訴状などによると、クリニック側は「日本一美しい口元を演出します」などとうたい、インスタグラムといったSNSなどで、マウスピースを使った歯の矯正治療を宣伝した。患者には「治療のモニターになれば実質、無料になる」と説明し、関連会社とモニター契約を結ばせた上で、ローン会社などから借金をさせて154万~187万円の治療費を一括で払わせた。

「実質無料」のはずが

 クリニック側から毎月「モニター報酬」が患者に払われ、患者の負担はなくなるとの説明だったという。

 ところが、実際にはモニター報酬の支払いが途中で止まった。東京都内のクリニックは閉院し、患者らは支払いが受けられないまま、残った借金を自ら返さなければならなくなったという。

 モニターとなった被害者は1千人以上いるといい、弁護団は刑事告訴も検討している。被害相談は加藤博太郎弁護士の事務所(03・6803・4311)で受け付ける。

被害者「あごがずれたまま」

 提訴を受け、モニター契約を…

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この記事を書いた人
根岸拓朗
東京社会部
専門・関心分野
司法、人権、ジェンダー