命令書にあった「買収」の文字 日鉄・USスチール再審査の背景は

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ワシントン=榊原謙
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 「禁止」とされていた日本製鉄によるUSスチールの買収計画について、トランプ米大統領が7日、再審査を命じた。公表した文書にはトランプ氏が嫌がった「買収」の文字も含まれ、停滞していた交渉は一歩前進の様相を見せる。一方で、トランプ氏の真骨頂は相手に「恩を売る」こと。仮に買収計画が今後前に進むならば、その際に日本が求められる代償は小さくないかもしれない。

 7日深夜。米政府と日鉄、USスチールは共同で、買収計画に禁止命令を出したバイデン前大統領らを相手取って両社が起こした訴訟の進行を、6月5日まで停止するよう米連邦控訴裁判所に要請した。ロイター通信が報じた。

 4月7日午前に、トランプ氏が対米外国投資委員会(CFIUS)に買収計画の再審査を命じたことを受けた措置だ。3者はこのプロセスが、バイデン氏の決定を不服とした両社の主張を「完全に解決」する可能性があると指摘したという。トランプ政権の主導で、この問題の解決をめざした動きとみられる。

 今回、トランプ氏がCFIU…

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この記事を書いた人
榊原謙
アメリカ総局|米国経済担当
専門・関心分野
米国経済、世界経済
日本製鉄のUSスチール買収

日本製鉄のUSスチール買収

日本最大手の鉄鋼メーカー・日本製鉄が2023年12月、米鉄鋼大手USスチールを買収すると発表しました。ところが、米国で政治問題となり、バイデン米大統領は25年1月、買収中止命令を出しました。最新ニュースをまとめてお伝えします。[もっと見る]