米、主力戦車エイブラムス31台の提供表明 ウクライナ国外で訓練も
米国政府は25日、米陸軍の主力戦車「エイブラムス」31台をウクライナに提供すると発表した。ウクライナ兵に対し、エイブラムスの操作や維持のほか、機動作戦のための訓練も近くウクライナ国外で始める。ただ、米軍の在庫から提供するのではなく、これから調達するため、実際に戦場で使われるまでには数カ月はかかる見通しだ。
ドイツが自国の主力戦車「レオパルト2」の提供を表明したのに続いた形だ。米政府高官は今回の決定について「ウクライナの防衛ニーズに対する我々の長期的なコミットメント(関与)を象徴するもので、ウクライナを支援する国際社会内部の強い結束と決意の表れでもある」と語った。31台というのは、ウクライナ軍の戦車大隊一つに相当する台数だという。
米国は当初、訓練や維持の難しさから提供に消極的だった。方針転換となった今回の決定について高官は「良好な外交的対話の結果だ」と述べ、米国より先に戦車を提供したがらなかったドイツに決断を促すために足並みをそろえたことを示唆した。米国は、レオパルト2の方が維持の手間が少なく欧州での台数も多いことなどから、エイブラムスより早く戦場で運用できるとみている。
ドイツのショルツ首相とバイ…
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- 【視点】
ドイツが当初、主力戦車「レオパルト2」の提供に慎重だった背景について考える視座が、ウクライナ戦争をこれ以上エスカレートさせないためにも不可欠だと思います。「分断の克服 1989―1990」で大佛次郎論壇賞を受賞された政治学者の板橋拓己・東京
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