木村拓哉さん主演のあの映画でも ロケ地で人気なぜ? 津の専修寺

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菊地洋行
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 津市一身田町にある真宗高田派本山専修寺(せんじゅじ)。木村拓哉さんが織田信長を演じ話題となっている映画「レジェンド&バタフライ」(東映、27日から公開)のロケ地の一つとして選ばれた。これまでも映画の撮影に使われ、今春公開予定の別の作品でもロケ地になった。人気の理由はどこにあるのか。

 専修寺は、津駅から北に約3キロ。国指定重要文化財の唐門、山門のいずれかをくぐり抜けると、石畳の奥に江戸時代の巨大木造建築物で国宝の御影堂と如来堂が目に飛び込んでくる。周囲は浄土真宗の寺院を中心に形成された自治集落「寺内町」など、独特の歴史的景観が保たれている。

 綾瀬はるかさんが濃姫を演じることでも注目される「レジェンド&バタフライ」。全国各地の国宝や重要文化財がある場所がロケ地になり、そのうち専修寺では、2021年12月と22年1月、境内北側の庭園・雲幽園(うんゆうえん)の茶室「安楽庵(あんらくあん)」で撮影があったという。

〈専修寺〉親鸞(1173~1262)が説いた浄土真宗の一派・高田派寺院の本山。関東地方にあった本山が戦乱で焼け、伊勢地方の中心寺院に歴代の上人(しょうにん、高僧)が住むようになり、本山として定着した。江戸時代に建てられた国宝の御影堂、如来堂など多くの歴史的建築物や、境内に形成された寺内町とともに古い面影を残している。

 安楽庵は三重県指定史跡・名勝で、苔(こけ)の保護のため普段は公開されていない。ともに高名な茶人だった千利休の長男・道安と信長の末弟・織田有楽斎が中心となって工夫を凝らした茶室と伝わり、2人の名前から一文字ずつとって名づけられたという。ロケに立ち会った専修寺広報課の玉野章法さん(47)は「信長を描く映画が信長の弟にゆかりのある茶室で撮影されるとは、と不思議な縁を感じました」と話す。

 信長とゆかりがなくてもロケ…

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