ジョブズも愛した版画家・川瀬巴水 ファンが描いた風景を探り当てる
久保田一道
アップル共同創業者の故スティーブ・ジョブズも作品を集めた版画家の川瀬巴水(はすい)(1883~1957)は、日本各地を旅して多くの風景画を残した。
巴水は東京で生まれ、20代半ばで画家を志した。洋画や日本画を学んだ後、版画制作に取り組むようになり、各地の風景を600以上の木版画に残した。海外での評価も高く、葛飾北斎や歌川広重と並び「3H」と呼ばれることもある。
巴水作品の研究を続けてきた千葉県柏市でギャラリーを営む鈴木昇さん(73)は10年ほど前、巴水が戦後まもない頃に残した日記のある記述に目を留めた。
「シオン学園」。茨城県日立市にある茨城キリスト教学園の前身の名前が記されていた。
鈴木さんらが調べていくと、学内の一室に、巴水が当時の学園の風景を描いた作品4点があることがわかった。学園側がグリーティングカードを作るために巴水に依頼したとみられるという。
なかなか分からなかった「金郷村」の場所もどうにか特定。その作品に描かれたとみられる民家の写真とともに紹介します。
話を聞いた茨城キリスト教大…
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