ウクライナはなぜドイツの戦車を求めるのか 「3大戦車」その性能は

有料記事ウクライナ侵略の深層

牧野愛博
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 ウクライナへの軍事支援を協議する会議が20日、ドイツ西部のラムシュタイン米軍基地で開かれます。ウクライナは戦車の提供を求めており、注目されているのがドイツ製「レオパルト2」です。この戦車はどんな性能を持ち、戦況をどう変えうるのか。陸上自衛隊で戦車部隊の中隊長を務めた松村五郎・元東北方面総監(元陸将)に聞きました。

記事のポイント①塹壕戦を打開できる可能性がある②戦車の性能は「火力」「防護力」「機動力」。ドイツ製は「NATO3大戦車」の一つ③融雪期が迫っている

 ――ウクライナはなぜ戦車を必要としているのでしょうか。

 ロシアや親ロ派勢力が支配する地域には、強固な塹壕(ざんごう)が広がっています。人の身長くらいの深さに掘った塹壕に、鉄板や繊維強化プラスチック(FRP)を載せ、その上に土砂をかぶせた待機壕で砲撃に耐え、敵が来ればすぐに射撃陣地に入れるようにしています。

 ウクライナ軍が反転攻勢に出る際、ロシア軍が塹壕を張り巡らせて作った防御網を、どこか一点で突破し、後方の指揮所や物資の集積所を破壊すれば、前方に布陣していたロシア軍は孤立し、撤退せざるをえなくなります。そのような突破口を切り開くためには、戦車や戦闘装甲車、装甲兵員輸送車が必要なのです。

 ロシア軍は塹壕を突破してくるウクライナ軍を迎え撃って逆襲するための戦車部隊を後方に配置しているでしょう。ロシア軍戦車との流動的な戦車戦になることも考えられるため、ウクライナは、より性能のよい戦車を欲しがっていると考えられます。

■戦車の決め手、「三つの要素…

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