相続放棄で増える空き家、自治体も対応に苦慮 放置していると…

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片田貴也
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 亡くなった親族の遺産を受け継がない「相続放棄」が増えています。住む予定がない、売りたくても売れない、親族と疎遠など、理由は様々。ただ、放置していると、街の環境への影響も大きく、倒壊などの危険もあります。

 では、どうすれば?

 全国最多の5万戸の空き家がある東京都世田谷区のケースを元に、問題に迫りました。

 世田谷区で空き家問題を担当する千葉妙子さんは2年前、相続放棄された空き家の問題に直面した。きっかけは、近隣住民からの苦情だった。

 この家は2階建てで、世田谷区北西部の住宅街にある。登記上では1961年に建てられた。住んでいた所有者が火災で亡くなり、一部が焼けてそのままになっていた。

 建築安全課の担当者は、相続人を捜し始めた。相続人は見つかったが、区と交渉の末、相続放棄を選択した。ほかの相続人の所在は把握することができなかった。

 本来、相続放棄したとしても、民法の規定で新たな相続人に引き渡すまでは物件の管理は、相続人の責任だ。だが、そのまま放置されるケースもあり、自治体が対応を迫られることになる。

記事の後半では、相続放棄が増える背景や対応の難しさ、課題などを専門家への取材を通して詳しく紹介します。

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 空き家の相続人がいるかどう…

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