町主導の「0円で空き家取得」 移住者には最大395万円補助も
空き家を無償でもいいから譲りたい所有者と、安い住宅で田舎暮らしをしたい人。この二つの希望を結びつける富山県上市町の「0円空家(あきや)バンク」が注目を集めている。移住促進と空き家解消を目指す取り組みは全国的にも珍しく、他の自治体からも問い合わせが相次いでいるという。
事業は町が昨年4月から始めた。きっかけは、空き家の相続人から町に寄せられる相談や要望だった。解体するにも多額の費用がかかり、年金生活者だと捻出できない。子どもや孫からは「いらない」と言われることも。「土地と建物を無償でもいいから町に寄付したい」。そんな切実な声が増えてきていた。
町は「寄付されると言われても、公共事業の計画もないところは断るしかなかった」と話す。不動産業者も、資産価値のない無償の空き家は仲介手数料が生じないため、取り扱ってこなかったという。
一方、都会の人からは、「田舎に移住して農業をしたい。安い住宅はないか」という問い合わせが多くあった。「この二つのニーズを結びつけることはできないか」。町は協議を重ね、「0円空家バンク」の仕組みをつくった。
移住者には最大395万円補助
流れはこうだ。空き家を提供…
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