奨学金の呪縛、30代元高校教員の後悔 「ありがたい、でも…」
「同棲(どうせい)をするならどこに住もうか」
結婚前提で付き合っている彼氏に、こう言われた。でも、「どこがいいだろうね」と答えるだけ。京都府に住む会社員のアユミさん(37)は、具体的な話を避けている。
1年前に出会い、付き合いだした。子どもを考えるなら、結婚は早い方がいい。けれど、言えないでいることが一つある。言おうとする度に、ある言葉が脳裏をよぎって思いとどまる。
それは、付き合い始めた頃に見た、知らない人のツイート。
「我が子の結婚相手が奨学金返済を抱えていたら、反対する」
アユミさんが学生時代に借りた奨学金は、計約1千万円。今も毎年約56万円を自分で返済する。返済はあと8年ほど続く予定だ。
もし彼に打ち明けて、受け入れてもらえなかったら。彼の両親に反対されたら。そう思うと、なかなか言い出せない。
「奨学金で自分の人生の選択の幅が狭まるなんて、借りた時には、思いもよらなかった」
ありがたかった奨学金
奨学金を借りるのは必然だった。
九州出身。父親は自衛官、母…
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- 【視点】
今日だからこそ、いっそう強く思います。増税までして防衛費に巨額のお金を回すよりも前に、将来を支える人たちを育む教育にこそ、もっとお金を回すべきではないでしょうか。 2020年度に始まった修学支援新制度は、低所得層のお子さんの大学や専門
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