災厄との闘い、映像に希望込め 「すずめの戸締まり」新海監督に聞く

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編集委員・中村俊介
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 異界と現世、過去と現在、最新科学と因習や風土――。災厄という現象を舞台に時空が交錯する独自の世界観は、新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」にも踏襲されている。あり得ないはずの日常と非日常のオーバーラップは、ここでも鮮やかなコントラストを見せる。

 「科学と土着のミックス。僕たち現実の生活もそう。スマホを片手にしているのに、神社では手を合わせたくなるし、墓石もおろそかにしない。それは僕たちの根底にあるOS(基本ソフト)なのですね」。新海監督は、そういう。

 彗星(すいせい)の接近が破局を呼ぶ「君の名は。」、科学文明の粋を集めた都市が水に沈む「天気の子」。そして、巨大地震を据えた本作。3部作の意図はなかったというが、貫かれた自然災害の主軸にぶれはない。

 地震列島に住み、その脅威をさらされ続ける私たちにとって、本作のテーマはデリケートかつ重い。

 振り返れば地震発生のメカニ…

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