ごみ捨てで脇見、女児2人死傷 求刑上回る判決「過失とりわけ重い」
名古屋市瑞穂区の県道交差点で3月、女児2人が死傷した交通事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)罪に問われた無職藤川幹人被告(52)=同市千種区=に対し、名古屋地裁は22日、求刑を上回る禁錮5年(求刑・禁錮4年6カ月)の判決を言い渡した。山田耕司裁判長は「過失の程度は、同罪が想定している中ではとりわけ重い」と述べた。
判決は被告が爪切りの中の爪をごみ箱に捨てることなどに気を取られて約8・8秒間脇見運転し、赤信号を見落として時速約50キロで交差点に進入したと認定。その上で、青信号の横断歩道を渡っていた女児2人をはねて死傷させた結果は「重大かつ悲惨」と述べた。
亡くなった女児(当時9)について「無限の可能性が広がり、希望に満ちあふれていたはずの未来を突然奪われた無念は察するにあまりある」と指摘。遺族が心療内科での治療を要するようになったことにも言及し、「悲しみの深さは筆舌に尽くし難い」と述べ、量刑を決める上で無視できない事情だとした。
判決は量刑理由で、被告の交通違反歴(7件)も重視。うち3件は脇見運転の一種である携帯電話などの保持だったとし、「非を省みて運転態度を改めることなく、今回の事故を引き起こした」と非難。これらの事情を踏まえ、検察の求刑を超える刑を言い渡すのが相当だと結論付けた。
判決によると、藤川被告は3月24日、名古屋市瑞穂区の県道交差点で乗用車を運転中、脇見をして赤信号を見落としたため、青信号の横断歩道を渡っていた女児2人に衝突。小学3年の女児を死亡させ、当時4年の女児に重傷を負わせた。
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