海軍カレーと京料理、合体の術 東郷平八郎も通ったレストランが提供

大野宏
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 かつて海軍鎮守府が置かれた京都府舞鶴市に伝わる海軍料理と京料理を合わせた「海軍割烹(かっぽう)術」コースが、海軍御用達の旅館だった舞鶴市のレストラン「松栄館」で披露された。12月から一般に提供される。

 松栄館は鎮守府が開庁した3年後の1904(明治37)年に開業。鎮守府の初代司令長官を務めた東郷平八郎らが頻繁に利用した。現在は舞鶴海兵団が08年に発行した「海軍割烹術参考書」のレシピを参考に、海軍料理を提供している。

 新たな海軍料理である海軍割烹術コースは、一色一(いっしきはじめ)料理長(55)と京懐石「美濃吉」の佐竹洋治調理総支配人(47)が共同で考案し、10月のイベントで約30人が味わった。

 前菜のサラダには保存食として軍艦で使われた塩漬け牛タンを使い、和風の辛子酢みそをかけた。舞鶴発祥説もある肉じゃがや、普段から松栄館で出している「海軍カレイライス」の一口サイズもコースに含まれる。

 メインの「和風海軍カレー」は、スパイスを昆布とカツオの一番だしで溶いたルーと、葛あんを別々に出し、海軍伝統の麦飯にかけて食べる。ジャガイモに魚の干物を混ぜ込んだ海軍メニューのフィッシュコロッケを添えた。

 一色さんは「うちのスパイスのインパクトに和風だしのうまみが負けていない。京料理の奥深さを知りました」。佐竹さんは「薄口しょうゆとみりんという京料理の黄金コンビを使い、舞鶴から世界に発信できるカレーになった」と手応えを語った。

 松栄館では12月1日から一般向けに「海軍カレー御膳」として4千円(税込み)のコースで出す。前日までに要予約(0773・65・5007)。(大野宏)

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