代金も商品も戻らない「僅退款」 アルゴリズムが迫る過酷なルール

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北京=斎藤徳彦
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 昨年12月、北京市の30代の女性会社員は中国のネット通販大手「淘宝(タオバオ)」でプランター用の土を注文した。5キロを頼んだのだが、届いたのは半分の2.5キロだった。

 チャット画面で、出店者側に苦情を言った。だが、店も「あなたが注文したのは確かに2.5キロだ」と譲らない。押し問答になった時、画面にプラットフォームのタオバオ側からのメッセージが割って入った。

 「アフターサービスの問題が起きたと判断しました。次のいずれかを選んでください」。機械的に示されたのは、「返品して、返金を受ける」と、「ただ返金を受ける」の二つだ。

 店側に腹が立っていたこともあり、女性は後者を選んだ。土は手元に残る。そのまま使うことにしたという。

 ネットでの買い物が主流の中国では、不良品やサイズ違いなどの返品もつきものだ。よく使われるのは「7日間以内は無条件で返品できる」というクーリングオフだが、2021年ごろから新たなサービスが現れた。

ネットショッピングの新たなサービスとは? 悪用する消費者も

 「僅退款(チントイコワン=…

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この記事を書いた人
斎藤徳彦
中国総局長
専門・関心分野
国際経済、中国の経済・政治