COP27首脳級会合、岸田首相の姿なし 来年G7議長国だが…

戸田政考 シャルムエルシェイク=関根慎一
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 エジプトで開催中の国連気候変動会議COP27で7、8日に行われた首脳級会合に、英仏独など100を超える国から参加があった。一方で脱炭素をめぐる国際交渉の場に、日本の岸田文雄首相はいなかった。

 「2019年の5億ポンド(約840億円)から25年には3倍の15億ポンドの資金提供を約束する」。途上国支援が焦点となっているCOP27で、スナク英首相が宣言した。当初は欠席の予定だったが、野党や国内世論の批判にさらされ、一転して出席を決めた。バイデン米大統領も中間選挙後の11日に現地入りする予定で、主要7カ国(G7)首脳で不参加は日本とカナダだけだ。日本は来年のG7議長国を務める。

 岸田氏は昨年のCOP26に参加し、最大約100億ドル(約1・5兆円)の途上国への追加支援を表明。今回も議長国エジプトから参加要請があり、環境省も「できれば岸田総理に出席頂ければ」(西村明宏環境相)と依頼を続けた。

 欠席の理由について首相周辺は、11日からのアジア歴訪に加え、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題に追われる臨時国会への対応から「総理は行きたがっていたが、行けなかった」と明かす。「今回は特に日本として強く打ち出せるものがない」(官邸スタッフ)との事情もある。閣僚として西村氏が2週目に現地入りする予定だ。

 また、参加を予定している秋本真利・外務政務官は与党内の慎重論で調整が難航。海外の要人や風力発電関係者らとの会談を検討しているという。NGOからは「COPはビジネスチャンスの場。洋上風力の導入が進めば、国内にも関連産業が根付くチャンスが広がる。政治はもっと力を入れてほしい」との声が出る。(戸田政考、シャルムエルシェイク=関根慎一)

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