「カミカゼ・ドローン」の恐怖 最強「アイアンドーム」で防げるのか

有料記事ウクライナ侵略の深層

聞き手・高久潤

 ロシア軍がキーウ(キエフ)への攻撃などに使ったとウクライナが主張する、イラン製ドローン「シャヘド136」に注目が集まっています。欧米では「カミカゼ・ドローン」とも呼ばれるこの兵器は、どんなものなのでしょうか。空からの脅威に備えようとウクライナが供与を求める、「世界最強」とも称されるイスラエルの防空システム「アイアンドーム」は、対抗する能力をもつのでしょうか。航空・宇宙分野が専門で、イスラエルの防空システムなどに詳しい、タル・インバー氏に聞きました。

 ――イラン製のドローンは、なぜ注目されているのでしょうか。

 このドローンは、「カミカゼ」の異名で呼ばれるように、自爆するのが特徴です。設定した標的に、ただ突っ込む。途中で標的を変えることはできません。そのため、動く対象よりも、軍事・民間施設を攻撃するのに有効です。市街地のビルなども標的になります。

 ドローン単体としての性能は高くないですし、高価ではありません。ただ、イメージしてみてください。都市部の上空を、三角形の兵器が群れをなして飛んでいる様子を。ロシアが使ったこのドローンが世界的にも注目されたのは、その恐怖ゆえでしょう。

ロシアがウクライナで使用した自爆型ドローンが注目を集めています。自国を守る兵器として、ウクライナが中東イスラエルに繰り返し提供を求めているのが、同国の防空システム「アイアンドーム」。イスラエルは現時点では応じない方針を示していますが、そもそも対抗できるのか。インタビューの後半で聞いています。

高性能ではない自爆型ドローン、それでも注目される理由

 ――高性能ではなくても、恐怖を与えられる。もう少し、くわしく教えてください。

 この「高性能」の意味は、標…

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