景色変わったが、残る根深い問題 性的少数者が語る東京五輪の意義
何だったのか、東京五輪・パラリンピック【インタビューシリーズ】
元フェンシング女子日本代表で、引退後にトランスジェンダー男性であることを公表した杉山文野さん(41)は昨年、日本オリンピック委員会(JOC)理事になった。東京大会の意義について聞いた。
「多様性と調和を掲げたのは良かった。オリパラというグローバルな祭典の開催国にならなければ、今も日本で置き去りにされたままだったかもしれないテーマです」
日本オリンピック委員会(JOC)は今年6月、性的少数者(LGBTQ)が抱える課題解決を後押しする団体「プライドハウス東京」と包括協定を結んだ。
東京五輪・パラリンピックから1年。「復興」「多様性と調和」などがうたわれた祭典は何を残したのでしょうか。汚職事件、スポーツ振興に残したもの、施設や人材を生かすには、復興やSDGsと五輪などについて、詳しい識者や関係者に功罪も課題も聞きました。
「大会がゴールではなく、スタートという視点からは大切な一歩です。僕自身がJOC理事になったこともそうですし、包括協定で役職員の研修など理解が進めばと思います。あらゆる差別を禁じる精神は五輪憲章で明文化されているわけですから」
東京大会では重量挙げ女子87キロ超級のローレル・ハバード選手(ニュージーランド)が男子から女子に性別を変えた選手として初めて五輪に出た。LGBTQであることを自ら明かす選手は180人以上いたとされる。2013年に東京開催が決まってから、日本でLGBTQに対する理解は進んだのか。
「景色は変わりました。認知…
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