「アフリカ人はどんな服でも着ると?」 ガーナで聞いた古着商の憤り

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アクラ=遠藤雄司
【動画】古着であふれるガーナ=遠藤雄司撮影
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 アフリカ西部ガーナの首都アクラで、ゴミの埋め立て処分場があふれかえっている。原因は先進国が輸出した大量の古着。「リサイクル」や「リユース」といったかけ声のもと、結局は大量生産、大量消費社会が廃棄物をアフリカに押しつけているという構図だ。

 3月上旬、ギニア湾に面したアクラにある、カンタマント市場を訪れた。約3万人が商売をしていると言われる西アフリカ最大規模の古着市場だ。中はひと2人がすれ違える程度の細い路地が入り組んでいる。ガーナ各地のみならず、ブルキナファソ、マリ、ニジェールなど周辺国からも古着商たちが買い付けに来る。

 多くの店は広さが1~2畳分ほどで、古着が山と積み上げられている。通路には、破れていたり汚れていたり、品質が低くて商品価値がないと判断されたりした衣服が捨てられていた。

1週間に1500万着 半分近くは「ゴミ」に

 この市場で30年、商売を続けているピーター・クアンサさん(55)は、輸入品の中に売り物にならない服が多すぎるとして、「先進国の人々は、アフリカ人はどんな服でも着ると思っているんだろう。それは間違いだ。我々だって高品質の服を着る権利があるんだ」と憤る。

 クアンサさんや他の店主によると、古着の多くは英国や米国、カナダ、中国、韓国などから輸入されるという。古着商らは、卸売業者から品質の良いAランクか、品質の劣るBランクに分類された80キロほどの袋を丸ごと購入し、その中身を店で販売する。

 だが、袋を開くまで、一枚一…

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この記事を書いた人
遠藤雄司
国際報道部・業務担当次長
専門・関心分野
アフリカ情勢、紛争、災害、事件
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    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2022年8月27日10時56分 投稿
    【視点】

    コロナ禍で人に合うことが限られていた2020年、1年間新しい服を買わないというチャレンジを自分に課しました。去年は日本で人前に出ることも多く、少し買い足してしまいましたが・・・。どうしても買いたい時は、ユーズドやリサイクル素材かどうかをチェ

    …続きを読む