内閣法制局から報告「それなら国葬で」 岸田首相、急な決定の舞台裏
岸田文雄首相は22日、安倍晋三元首相を55年ぶりの国葬で弔うことを、閣議決定した。首相が国葬を決断したのは、勝利した参院選の直後だった。国葬の基準や法的根拠があいまいなままの決定に、賛否は割れている。
「国葬に近い形でできないか」。安倍氏が死去した数日後、首相は安倍氏の国葬を検討するよう、周辺に指示した。安倍氏の家族葬が都内の寺院で営まれ、自民党本部などの献花台には行列ができていた。
歴代首相経験者の葬儀は、1980年に死去した大平正芳氏以降は「内閣・自民党合同葬」が慣例。だが、首相は、安倍氏が歴代最長の8年8カ月にわたり首相を務めたことや、遊説中に凶弾に倒れたことを重視。「今までの首相経験者とは違う形で評価すべきだ」との思いに傾いた。
「訴訟のリスクある」慎重論あったが
首相の指示を受け、国葬に向けた政府の検討が始まった。ただ、国葬を定めた法律は、ない。全額国費でまかなうことに、政府内には「行政訴訟のリスクがある」との慎重論もあった。
そこへ、内閣法制局からの報…
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安倍晋三元首相の国葬
安倍晋三元首相の国葬が2022年9月、東京・日本武道館で行われました。日本の国葬は、1967年の吉田茂元首相以来、戦後2人目。賛否が大きく割れる中での開催となりました。関連ニュースをまとめてお伝えします。[もっと見る]