モーリシャス沖座礁事故、携帯電波求め島に接近 運輸安全委が報告書

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磯部征紀
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 インド洋のモーリシャス沖で2020年7月に大型貨物船が座礁して燃料油が流出した事故で、国の運輸安全委員会は30日、事故調査の経過報告書を公表した。船員の携帯電話がつながるよう島に近づいて乗り揚げたと分析したほか、安全管理マニュアルが守られていなかったと指摘した。

 貨物船は岡山県の長鋪(ながしき)汽船が管理し、商船三井がチャーターしていた。インド洋を航行中、島の南東部で浅瀬に乗り揚げて破損し、約1千トンの油が流出した。

 報告書によると、計画上は岸から約41キロの距離を航行するとされていたのに、付近の詳しい海図もないまま、船長は携帯電話の電波を受信するため針路の変更を指示。マニュアルでも岸からの距離を約9キロとるよう規定していたが、さらに近づき、約2キロの位置で乗り揚げた。

 マニュアルは見張り要員の条…

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