園児「置き去り」、都への報告が年78件に急増 住民が保護した例も
保育園の散歩中、園児を公園などに置いたまま、気づかずに戻ってきてしまう――。こんな「置き去り」や、迷子など園児を見失う事案について、東京都に2021年度、78件の報告があったことが、朝日新聞の取材で分かった。ここ数年は20~30件程度だったが、都は「注意喚起や報道を受けて現場が報告を徹底した」とみる。一方、全国では件数さえ把握していない自治体が多く、実態把握の道のりは険しい。
都は、保育園で散歩中に公園などに置き去りにされたり、迷子など園児の所在が一時的に分からなくなったりした事案について、都内の認可園と都が独自に認定する認証園に対して報告を求めている。21年度は認可園から75件、認証園から3件の報告があった。認可園のうち、18件は都への報告漏れなど20年度以前に起きた事案だった。
散歩から帰って2歳児がいないことに気づいた例も
公園で他の園児の対応中に1歳児を見失ったり、散歩から帰って初めて2歳児がいないことに気づいたりした例があった。また、保育園の屋上に園児が取り残されたり、園児が保育園から外に飛び出したり、園内で見失ったりしたケースもあった。いずれも保育士や近隣住民らが保護し、大きなけがは報告されていないという。
朝日新聞デジタルでは2月中旬、こうした事案の都への報告が17~20年度の4年間に計94件あったことを報じた。都によると、21年度の78件は特に3月に報告が集中しており、報道の影響があったとみる。また、都も昨夏に保育園向けの講習会資料で置き去りの注意喚起を始めたほか、福岡県内の保育園で、送迎バスに取り残された男児が熱中症で死亡した昨夏の事故を受け、置き去りの報告などを求める通知を8月に出した。
都の担当者は「事案そのものが増えたということではなく、報告をしなければいけないという意識が自治体や保育現場に浸透したからではないか」と話す。都は、従来は報告を求めていなかった認可外についても、今年度からは報告するように4月に通知を出した。
把握に向けた動きは広がっている。大阪府も、置き去りなど園児を見失うような事案が発生した場合、報告を求めるよう検討を始めた。担当者は「施設側の負担を考えて、ある程度、報告を求める対象は絞りたいが、なるべく早く発生件数の把握を始めたい」と話している。
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- 【視点】
今朝も、近所の公園で、保育園だか幼稚園だかの子どもたちがお手々をつないでお散歩しているのを眺めていました。危険があったらいけませんから、列から外れそうな子がいると、保育士さん(?)が、「ほら、○○ちゃん、ダメでしょ」と注意します。でも幼児か
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