停戦協議、中立化巡り進展 ウクライナが提案、ロシアは攻撃縮小表明

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イスタンブール=高野裕介 パリ=西村宏治
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 ロシアによるウクライナ侵攻をめぐる両国の5回目の停戦協議が29日、トルコのイスタンブールで開かれた。ロシア代表団は協議後、同国が求めるウクライナの軍事的中立化をめぐって進展があったとし、ウクライナの首都キエフと北部チェルニヒウへの攻撃を「劇的に減らす」と述べた。停戦合意に至るかどうか不明だが、2月24日にロシアが侵攻してから双方が基本的な立場で歩み寄りを見せたのは初めて。

 ロシアの代表団を率いるメジンスキー大統領補佐官は「ウクライナ側から(中立化についての)合意に向けた提案を受けた。この提案を大統領に報告し、我々の回答を示す」と話した。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は今回の停戦協議に向けて中立化を話し合う用意があると表明。ウクライナの安全が保証されることを条件とし、第三国が保証国となることを求めていた。メジンスキー氏はウクライナの中立化と同国に対する安全の保証で両国が合意すれば条約化され、ゼレンスキー氏とロシアのプーチン大統領の首脳会談が可能になると話した。

 一方、ウクライナ代表団の一…

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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2022年3月30日10時8分 投稿
    【解説】

    ロシア国防省によれば、首都キエフ周辺や北部チェルニヒウ方面の軍事行動は「数分の1」に削減されるとのことだが、米国防省は、このロシアの動きを「撤退」ではなく、軍の「再配置」とみている。キエフから移動したロシア軍は、他の地域に対する大規模な攻撃

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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2022年3月30日6時46分 投稿
    【視点】

    開戦後初めてロシアが軍事行動の縮小を明言しました。しかし「信頼醸成」を言うのであれば、一般住民に甚大な犠牲を出しているマリウポリを含む東部や南部でもただちに停戦すべきです。現状では、南部や東部の侵攻に専念するためにキエフ周辺から兵を引くだけ

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