ファイザー飲み薬、優先順位の議論も 米国でも「需要追いつかず」

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ワシントン=合田禄
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 米ファイザー社が開発した新型コロナウイルスの飲み薬パキロビッドパック(一般名・ニルマトレルビル/リトナビル)が日本でも特例承認され、使えるようになった。「パクスロビド」の商品名で、先行して使えるようになっている米国では、どのような状況にあるのか。

 米国では、米食品医薬品局(FDA)が昨年12月下旬、緊急使用許可を出した。米政府は1千万人分をファイザーから購入する契約を結び、今年1月には25万人分が利用できるようになるとしていた。さらに今年に入り、購入契約数を倍増させ、2千万人分とした。

 バイデン大統領は1月4日の演説で「この薬は新型コロナによる入院者数や死亡者数を劇的に減らす。ゲームチェンジャーであり、新型コロナによる衝撃を劇的に変える可能性を持っている」と力を込めた。

 米国でのこの薬の対象は、12歳以上で、重症化のリスクがある人。症状が出てから5日以内に服用する。新しい抗ウイルス薬を2錠、すでにある抗HIV薬を1錠の計3錠を併せ飲む。1日に2回、5日間服用する。

 この薬は重症化して入院する患者が対象ではないため、基本的には陽性になった人が外来やオンライン診療で医師らにこの薬の処方箋(せん)を出してもらい、薬局などで入手する。

 ただ、米国ではオミクロン株の感染拡大で多いときには1日100万人を超える新規感染者が出た。連邦政府が購入した薬を各州の保健当局に配ることになっているが、各地でパクスロビドが手に入りにくい状況が続いている。

 需要に供給が追いつかないなか、患者の優先順位の付け方も問題になっている。

 米国立保健研究所(NIH)…

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