江別市がパートナー制度、3月導入 道内2例目

戸田拓
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 北海道江別市は3月から、LGBTなど性的少数者らのカップルを公的に認定し支援する「パートナーシップ宣誓制度」を導入する。当事者からの受け付け予約を同月1日から始め、中旬以降に関係を認める受領証を発行する。

 1月28日の市男女共同参画審議会(会長・小内純子札幌学院大法学部教授)で要綱案を承認した。道内では2例目で、2017年6月に開始した札幌市では21年12月末時点で141組が宣誓している。江別市の制度は片方が市民でないカップルも利用可能だ。

 宣誓制度には法的拘束力はないが、申請したカップルが共に協力し合う関係であることを市が独自に認め、証書を発行する。従来は親族や事実婚だけに認めていた市営住宅での同居のほか、市立病院での手術同意や、病状説明を受けることも可能になる予定だ。民間事業者にも家族相当の優遇を呼びかける。

 また、どちらかに子どもがいるカップルが希望すれば、受領証に子の名前も記載できるようにする。保育施設の送迎の際などに、実子でなくとも自分が保護者相当であることを明示できるという。公立保育園の申し込みにも利用できるよう検討を進める。

 同市市民生活課の大橋深幸参事は「携帯電話の家族割引や生命保険の受け取りなど既に民間の取り組みが先行しているが、市が宣誓を受け付けることで、関係を公に認められてこなかった性的少数者の心理的不安や生きづらさの解消につながれば」と話す。市男女共同参画審議会の小内会長は「道内2例目が実現することで、今後他の市町村にも広がっていくと思う。道としても制度導入を検討してほしい」と述べた。

 宣誓制度を巡っては18年に市民団体から導入の要望があり、市がセミナー開催やリーフレット配布などを通じて性的少数者についての啓発を行ってきた。20年度の市民アンケートで「LGBT」を知っている人は55・6%と半数を上回ったといい、周知が進んだとして導入に踏み切った。

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この記事を書いた人
戸田拓
松山総局
専門・関心分野
文化、学術、音楽、動画