南アの医師会長に聞くオミクロン 感染スピードは速く…では入院は?

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ヨハネスブルク=遠藤雄司
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 新型コロナウイルスのオミクロン株による感染拡大が続く南アフリカの医師会長で、開業医でもあるアンジェリク・クッツィエ氏が10日、朝日新聞の取材に応じた。クッツィエ氏は「我々プライマリーケア(初期診療)レベルの話だが」と前置きした上で、診察するコロナ陽性者の多くが軽症で、「感染のスピードは速いが、現時点でオミクロン株がより危険だとは思わない」と話した。

 クッツィエ氏は、感染拡大が顕著にみられる首都プレトリアに診療所を構える。オミクロン株による感染拡大が始まったとみられる11月半ば以降、これまでに生後4カ月から82歳まで計80人の新型コロナ患者を診療したが、「一人も入院には至っておらず、経過観察が必要と判断したのも3~4人程度だ。重症化する人も出てくるだろうが、デルタの時とは状況が異なる」と指摘した。

 クッツィエ氏によると、デルタ株による感染拡大が起きた6~8月は経過観察が必要な患者が多く、発症から7~10日経つと悪化する人が多くいた。経過観察の患者に対応しながら次々に来る新規感染者の対応もしていたため酸素が不足し、重症者を受け入れてもらう規模の大きい病院側も逼迫(ひっぱく)していたという。

 一方、11月半ば以降にクッツィエ氏が対応してきた患者の主な症状は筋肉痛、頭痛、のどの痛みや軽いせきが大半を占め、発熱はまれ。これまでのところ酸素療法が必要になった患者はおらず、全員が自宅療養しているという。「ワクチン未接種だけではなく、ブレークスルー感染や再感染例も複数診療したが、そのほとんどが軽症だった。そこが重要だ。ほかの開業医らに話を聞いても同じような状況だった」と説明した。

 一方で、感染者の急増にとも…

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この記事を書いた人
遠藤雄司
国際報道部・業務担当次長
専門・関心分野
アフリカ情勢、紛争、災害、事件