遊水地計画の実行を初めて住民に説明 人吉市

村上伸一
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 昨年7月の豪雨災害を受けた治水対策をめぐり、熊本県人吉市は6日、洪水時に農地で川の水をためて氾濫(はんらん)を軽減する遊水地整備計画を進める方針を初めて地元住民に示した。松岡隼人市長は「遊水地計画を前提に復興まちづくりを進める」と断言した。

 この日、球磨川沿いにある候補地の大柿と中神の2地区を対象にした住民説明会があり、国土交通省九州地方整備局の八代河川国道事務所は、農地を買収して遊水地にしたり、農地のまま残したりする場所の目安を示した。市は移転を迫られる住民のために、仮設団地の整備や集団移転に備えた宅地整備などを行う方針を明らかにした。

 農林水産省の補助金を使って農業を再開したという住民は「補助金が無駄になり、税金の無駄遣いだ」と反発。「実行するなら早く補償額を決めてほしい」などの声も上がった。市は地区別懇談会を重ねて今年度中に遊水地を含む復興まちづくり計画を策定する。(村上伸一)

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