王宮の扉、玉座…フランスが略奪美術品をアフリカ・ベナンに返却へ
フランスのマクロン大統領は27日、植民地だった西アフリカのベナンから129年前に戦利品として略奪した26点の美術品を来月に返還すると明らかにした。フランスの美術館は9万点ものアフリカの作品を所蔵しており、半数以上は植民地時代に奪ったものとされる。マクロン氏は今後も一部を返還していく考えを示したが、背景にはアフリカとの関係を改善したい思惑がある。
今回返還されるのは、フランスが1892年、当時のダホメ王国を侵略した際に、戦利品として持ち去った王を象徴する像や王宮の扉、玉座などが対象だ。アフリカやアジアをはじめ世界各地の「原始美術」を展示するパリのケ・ブランリ美術館に所蔵され、月末まで特別展示されている。
マクロン氏は27日に同館で作品を鑑賞した後、「作品がかつて去った大地に戻り、アフリカの若者が自国の遺産に再び触れられるようになる」と演説した。
ベナンは以前から美術品の返却を求めており、マクロン氏は2017年に西アフリカのブルキナファソを訪問した際、フランスにあるアフリカの文化財返却に踏み切る考えを表明。専門家の報告に基づき、国の財産を譲渡できるようにするための法整備を進めてきた。
27日にケ・ブランリ美術館…
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