学校での感染、再開で増えたのは「教員から」 学会調査

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編集委員・田村建二
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 新型コロナウイルスへの子どもの感染に関する全国規模の調査結果を、日本小児科学会の委員会がまとめた。全国の小中高校などは昨年3月から、政府の要請を受けて一斉に休校したが、休校中も本格的な再開後も、子どもの主な感染経路は両親など家庭内だった。再開後は生徒ではなく、教員らからの感染が増えていた。

 昨年2月から12月までに、学会のデータベースに登録された16歳未満の感染事例840例を分析した。

 全体の47・7%は無症状で、37・5度以上の発熱は16・0%にとどまり、多くの場合は軽い症状にとどまっていたことが改めて確認されたが、呼吸を補助するために酸素供給をしたケースも11例あった。

 安倍晋三前首相の要請で、小中高校、特別支援学校のほとんどが昨年3月から一斉に臨時休校した。緊急事態宣言の影響で、都市部では5月末まで休校した学校があった。

 分析では、夏休みも考慮して昨年8月までを「学校再開前」、9月から12月までを「再開後」として特徴を比べた。

 聞き取りなどで推定された感染経路は、「再開前」に登録された449人のうち70・9%が両親などの家族から。「再開後」に登録された391人でも74・5%が家族からで、家庭内での感染が最も多いことに変わりはなかった。

 学校での感染の割合は、「再開前」が4・2%だったのが、「再開後」では8・4%となり、割合が増えた。ただ、推定された感染経路は、教員などの大人からが「再開前」の0・2%から「再開後」の4・1%に増えたのに対し、友人などの子どもでは「再開前」は2・7%、「再開後」が3・8%で、科学的な差はなかった。

 分析をまとめた聖マリアンナ…

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この記事を書いた人
田村建二
科学みらい部
専門・関心分野
医療、生命科学