豪雨被災の球磨村、シンボルの駅舎で住民ら集い 球磨村

藤原慎一
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 昨年の豪雨災害以来不通が続くJR一勝地駅で4日、地元・熊本県球磨村の地域住民ら約50人が茶話会を開いた。今も仮設住宅で避難生活を続ける人たちも参加。駅のホームに机を並べ、久しぶりの集いを喜びつつお互いの近況を語り合った。

 昨年の豪雨でも奇跡的に被害を免れた1914年建造の駅舎は、地域のシンボル。散り散りになった地区の人たちが集まれる機会をと、一般社団法人「くまむら山村活性化協会」が豪雨から1年に合わせ、駅でのイベントを企画した。

 会は、豪雨被災地の支援を続ける熊本県宇土市のボランティア団体「チームうと」が協力。被災直後の村の様子をとらえた写真約80枚がホームに展示され、訪れた人が見入っていた。

 駅近くの集落から訪れた田頭ケサエさん(89)は「皆さんとお話しできる場を作ってもらえてありがたい」。昨年の豪雨で自宅は全壊。一緒に避難生活を続けていた長男は昨年11月、突然亡くなった。64歳だった。いまは修理を終えた自宅に一人で暮らす。この日はなじみの顔に囲まれ、「明日からまた元気にやっていけます」と笑った。(藤原慎一)

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