「忍たま乱太郎」尼子騒兵衛さんの展覧会 7月に尼崎で

中塚久美子
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 人気漫画「落第忍者乱太郎」のゆかりの地として有名な兵庫県尼崎市で、作者の尼子騒兵衛(あまこそうべえ)さんの画業をたどる「尼子騒兵衛展 『落第忍者乱太郎』・『忍たま乱太郎』はこうして生まれた!」(同展実行委主催、委員長=稲村和美市長)が7月17日から、市総合文化センター(昭和通2丁目)で開かれる。尼子さんの漫画家人生に焦点を当てた展覧会は、全国初。未公開作品を含む約1500点を展示し、その人物像に迫る。

 同展のキャッチコピーは、「尼崎生まれ! 絵を描くことと歴史と人を笑わせることが好きな女の子の物語~」。時代考証にこだわり、刀剣類や文献を収集し、忍者や歴史について語り出すと止まらない尼子さんの人柄を表した。ペンネーム「尼子騒兵衛」は、尼崎生まれの騒々しい子ということから付けたもの。

 「落第忍者乱太郎」は朝日小学生新聞に1986年から連載され、アニメシリーズ「忍たま乱太郎」にもなった。作品には、猪名寺(いなでら)、食満(けま)、久々知(くくち)など市の地名が登場人物の名前に使われ、「聖地巡礼」として全国からファンが市を訪れる。

 尼子さんは2019年1月、脳梗塞(こうそく)で入院。リハビリで利き手の右腕はある程度動くようになったが、同年末、33年の連載に幕を閉じた。連載が一区切りついたことに加え、市民らに市の歴史文化に目を向けてもらおうと同年、市は尼子さん所有の膨大な資料の保存・管理と活用にむけた協定書を尼子さんと締結した。原画やセル画、絵コンテ、アニメ・映画の台本、尼子さんが収集した手裏剣などの用具を合わせ、2万点以上が寄贈、寄託された。

 その中から今回、中学生時代に描いたギャグ漫画など、原点を初公開。市内商店街のアーケードや尼崎信用金庫のキャラクターなど「乱太郎」以外の原画のほか、20年4月に始めた絵と文章で古典の世界を案内する朝日小学生新聞の月1回連載「乱太郎とめぐるふしぎな世界」も並ぶ。

 9月26日まで、午前10時~午後7時(火曜休館)。前売り券は、一般800円(当日券1200円)、中高生・シニア600円(同800円)、小学生300円(同400円)。市内の小学生には学校を通じて無料招待券を配る。

 前売り券は7月16日まで、あまがさき観光案内所、チケットぴあ(Pコード=685699)、市役所文化振興担当で販売。問い合わせは同担当(06・6489・6385)へ。中塚久美子

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