三味線の世界 3本の弦が響きあう和の音色

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井上秀樹

 木と猫犬の皮と、3本の糸。簡素な材料から繰り出す音は限りない。和楽器を代表する三味線は、多様性と変化に富む。習うのは雅(みやび)な方々? いや、お座敷遊びや踊りで奏でられてきた、親しみ深い音ですよ。

 「これ、どうやって弾いてるんだろう?」。寄席で活躍する音曲師の桂小すみさんは、明治大正のSPレコードから宝集家(ほうしゅうや)金之助の「櫓太鼓(やぐらだいこ)」を復曲した。技巧を凝らして演奏する「曲弾き」は、速すぎて奏法がわからない。一発録音なのに欠けた音がない。「それを寄席で聞けたんですよ!」。駅前の居酒屋で味わえる三つ星シェフの料理、といったら失礼か。

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この記事を書いた人
井上秀樹
文化部
専門・関心分野
寄席演芸、舞台芸術、大衆芸能