アストラゼネカ製ワクチン、公費接種へ 60歳以上対象

下司佳代子
[PR]

 英アストラゼネカ社製の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省は60歳以上を対象に公費接種を認める調整に入った。このワクチンは高い効果がある一方、海外ではまれに血栓ができる例が報告され、比較的若い人の発症リスクが高いとされる。そのため、年齢を絞る方向だ。

 専門家による分科会を30日に開いて決める。厚労省はワクチンの製造販売を承認した5月の段階では、血栓を理由に使い道を保留した。一部は台湾やベトナムにおくっている。

 アストラゼネカ製は海外では接種しない国がある一方、高い年齢層に限定する国もある。イタリアは60歳以上、フランスは55歳以上。アストラ製を広く使っている英国では、基礎疾患のない40歳未満にはアストラゼネカ製以外のワクチンを推奨している。日本での対象年齢について厚労省内では、「60歳以上に限定」する案のほか、「60歳以上に推奨」とする案もある。

 ワクチンは細胞内に必要な物質を届ける「ウイルスベクター」を使うタイプ。2回筋肉内に接種する。2~8度で冷蔵保存でき、冷凍保存が必要なファイザー製などと比べて管理しやすい。厚労省によると、利用を希望する診療所もあるという。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
下司佳代子
アメリカ総局|米国の外交・防衛
専門・関心分野
国際報道