濱口竜介監督、銀熊受賞「言葉以上のもの見せてくれた」
世界3大映画祭の一つ、第71回ベルリン国際映画祭の授賞式が13日夜(日本時間14日未明)に開かれ、コンペティション部門で最高賞に次ぐ審査員大賞(銀熊賞)を受賞した「偶然と想像」の濱口竜介監督(42)がトロフィーを受け取った。
新型コロナウイルスの影響で異例の分割開催となり、3月にオンラインで作品が発表され受賞作が決まっていたが、授賞式と一般向けの上映イベントは今月の開催となった。
「偶然と想像」は約40分の3話からなるオムニバス作品。脚本も濱口監督が手がけた。日本では12月に公開されることが決まった。
配給会社によると、授賞式では、過去に金熊賞を受賞し、今回審査員を務めたジャンフランコ・ロージ監督がプレゼンターとして濱口監督の作品について次のように語った。
「普通なら対話や言葉が終わる地点から、この映画の対話はむしろ始まるのです。そこからが本作の真骨頂であり、あまりに深く掘り下げるので、観客は驚きと困惑の中で自問することになります。『どこまで掘り下げるんだ?』と」
「濱口の言葉は物質であり、音楽であり、素材なのです。最初は、白い壁の部屋に男と女、ときには2人の女が立っているだけの、ほとんどマイナーなものに見えます。そして、場面が進むにつれて、このシンプルな部屋の中に、自分もそこに含まれるような全宇宙が、彼らとともに立ち現れてくるような気がしてくるのです」
「この人たちこそがこの映画です」
濱口監督は「ダンケシェーン」とドイツ語であいさつした後に「日本語でスピーチさせていただきます」と語り始めた。
「外は多少寒いということはわかっているのですが、ここに来られなかったキャスト・スタッフの名前を伝えさせていただきます。古川琴音さん、中島歩さん、玄理さん、渋川清彦さん、森郁月さん、甲斐翔真さん、占部房子さん、河井青葉さん、キャストの皆さんです。ありがとうございました。皆さんがこの物語を信頼してくださったので、今このような素晴らしい賞をいただくことができています」
「そしてここには来られてい…
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