リコール事務局長、取材重ねた記者に漏らした「本音」

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小林圭
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 愛知県大村秀章知事に対するリコール署名偽造事件で、地方自治法違反(署名偽造)の疑いで8日に再逮捕された運動団体事務局長の田中孝博容疑者(60)は、逮捕前の取材に偽造への関与をほのめかしていた。記者が取材を重ねる中で漏らした「本音」は、事件に関わることから、署名活動への考え、家族への思いまで多岐にわたっていた。

 記者が田中容疑者と初めて会ったのは昨年6月2日、名古屋市内のホテルの記者会見場だった。美容外科経営の高須克弥氏らがリコール署名活動を始めると宣言。司会の田中容疑者は高須氏が答えられない場面では助け舟を出していた。はっきりとした大きな声が印象的だった。

 署名活動の取材をしていた記者は、署名偽造の疑惑が明るみに出た今年2月から田中容疑者に頻繁に連絡するようになった。時には電話で1時間以上、対面では3時間近く話すこともあった。

 5月上旬、田中容疑者は記者との電話で「不正署名」という言葉を使った。

 広告関連会社(名古屋市)に名簿をもとに署名用紙に書き写す「代筆」を頼み、有権者から同意を取るつもりだったと説明する田中容疑者は、突然その言葉を口にした。

 「そもそも(事後に本人に同意を取るのは)できっこねえだろうと。この言葉は許してほしいけど、よっぽど精度の高い不正署名を作ってくれると思っていた」

 そしてこう続けた。「(書き…

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