禁止令が出ても…入れ墨「ハジチ」は沖縄女性のあこがれ
戦前の沖縄の人や風景を写した写真165枚が、朝日新聞大阪本社(大阪市)で見つかった。戦前の沖縄の写真は戦災で多くが失われ、まとまった形で見つかるのは珍しい。その中から選んだ写真を紹介する。
女性の手の甲や手首に見える、丸や三角、ひし形の模様。1925(大正14)年ごろに現在の那覇市で撮影された写真には、沖縄独特の風習である入れ墨の「ハジチ(針突)」が写っている。
ハジチは成人や結婚などの通過儀礼や魔よけとしての意味合いがあったという。しかし「琉球処分」から20年後の1899年、「悪習」として入れ墨禁止令が施行され、取り締まりの対象になった。ただ、多くの女性のあこがれだったといい、沖縄女性史家の宮城晴美さんは「禁止されてからも、隠れて行われ、昭和初期まで続いたといわれる。県外で悪く思われたとしても、当時の沖縄では当たり前の風習。突然なくすことは難しく、女性たちの精神文化として息づいていたと考えられる」と話す。
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら