北海道新幹線が開業5年 まだ新函館北斗駅前は閑散

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長崎潤一郎 三木一哉

 北海道新幹線(新青森―新函館北斗)の開業から26日で5年を迎える。本州とつながる高速鉄道は地域経済の起爆剤と期待され、函館など道南地域では観光客の増加に貢献した。ただ乗車率は20%台に低迷し、この1年は新型コロナウイルスの影響でさらに落ち込む。関係者は2030年度末の札幌延伸で本来の「開業効果」が表れ、利用者は大幅に増えると期待する。

 北海道新幹線は16年3月26日に新青森―新函館北斗間の約149キロが開業し、函館市への観光客の入り込みを後押ししてきた。市のまとめでは、16年度は過去最高の560万7千人。17年度は524万7千人に減ったが、19年度は536万9千人に持ち直した。

 このうち在来線を含めてJRに乗ってきた人は、15年度は99万9千人だったが、16年度は138万人。19年度は129万人と、100万人超を維持している。「訪日客も外国人用のJRパスで新幹線に乗って函館に来ているようだ」(函館ホテル旅館協同組合の遠藤浩司理事長)。函館市内ではホテルの進出が続いており、市によると16年以降、市内では8事業者が開業した。遠藤理事長は「新幹線の札幌延伸を見込むところもあるのだろう」という。

 一方、現在の終点、新函館北斗駅(北斗市)の周辺は閑散としている。函館市中心部まで18キロほど離れており、駅から出ずにJRの在来線に乗り換える人が多い。北斗市によると、駅前の商業用地5万2700平方メートルのうち、3分の1が未利用だ。市はトラピスト修道院や大沼を見下ろせるきじひき高原などを観光資源としてPRし、16年度の観光客の入り込みは124万人だったが、19年度は74万人に減った。

 駅前ビル1階の市観光交流セ…

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この記事を書いた人
長崎潤一郎
経済部|首相官邸担当
専門・関心分野
エネルギー政策、税制
三木一哉
横浜総局|相模原地域担当
専門・関心分野
相模原の歴史、東アジアと日本のかかわり、公共交通など