「全店、回るのは不可能」時短拒否に罰則、自治体も困惑

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山田佳奈 中野龍三 久保田侑暉
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 今回の特措法改正で、飲食店などが都道府県の営業時間の短縮命令に従わない場合、30万円以下の過料を科せられるようになった。法の運用にあたる自治体からは、実際に罰則を適用できるのか疑問の声も上がる。

 1月の緊急事態宣言以降、対象地域では時短営業に従わない飲食店の店名公表が可能になり、政府は対象の都府県に対し、飲食店などへの見回りの徹底を求めた。福岡県はコロナ対応に県職員が追われる中、1月下旬から福岡市北九州市などの主な繁華街で民間の調査会社に委託して5日間で約4500店を見回った。99%が時短営業に応じていたが、県内の約4万8千店に対象を広げて調査を進める。店舗が閉まる午後8時から1時間程度の間にする必要があり、調査には制約も大きい。

 特措法改正でこうした業務はさらに増えるとみられ、県幹部は「たまたま見つかった店だけに過料を科すのは不公平だが、毎日全店舗を回るのも不可能」と運用の難しさを認める。

 東京都も1日までに新宿、渋谷など13カ所の繁華街の1万3776店を目視で調べた。96%が時短に応じていた。都内の飲食店は約8万7千店に上り、全店調査となると作業は膨大になる。都の担当者は罰則導入で重みが増すととらえつつ、「現実的にすべての店を見回るのは難しく、公平性の担保という課題もある。『過料ありき』ではなく、応じてもらえる意識を社会に醸成することがまず大事だ」と話す。

 愛知県でも宣言後、市町村と…

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